高配当投資信託の分配金は2種類ある!2つの分配金の違いとは?

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高配当型の投資信託を選ぶのは、分配金がもらえるから、という理由で選ばれる方も多いのではないでしょうか?

その分配金ですが、「普通分配金」と「特別分配金(元本払戻金)」の2種類があるんです。
一見「配当金がもらえてお得」と思われがちですが、この2つの分配金の違いや仕組み、注意点を理解していないと、投資成果を正しく評価できなくなる可能性もあります。

この記事では、特別分配金と普通分配金の基本的な仕組みと注意点、そして高配当投資信託との関係についてわかりやすく解説します。


特別分配金とは?普通分配金との違いを理解しよう

まず、投資信託の分配金には「普通分配金」と「特別分配金」の2種類があります。

普通分配金とは

普通分配金は、投資信託が運用益を出したときに支払われる分配金です。
この普通分配金は課税対象となり、税金(所得税および住民税)が差し引かれます。
いわば「本当に利益が出た部分」から支払われる配当です。

特別分配金とは

一方で、特別分配金(元本払戻金)は、運用益ではなく元本の一部を取り崩して支払われる分配金です。
つまり、資産が増えたから支払われるのではなく、自分の投資額が削られて返ってくるお金なのです。

このため、税金はかかりません
非課税で受け取れるため、一見お得に思えますが、実際には自分の資産を取り崩しているだけなので注意が必要です。


なぜ高配当投資信託に特別分配金が多いのか?

わんこ
わんこ

投資信託には、どうして特別分配金が多いの?

あん
あん

高配当型の投資信託は、分配金を毎月または定期的に出すことを売りにしている商品が多いからね。


そのため、市場が低迷して運用益が減少した場合でも、一定額の分配金を支払うために元本を取り崩して分配金を出すケースがあります。

このような状況で支払われるのが、特別分配金です。

たとえばこんな例

  • 10万円投資していて、基準価額が下落した状態でも毎月1,000円の分配金が出続けている
  • でもその1,000円の中身は利益ではなく、元本から引かれている

このようなケースでは、「配当をもらって得している」と感じるかもしれませんが、実質的には資産が減っている可能性が高いのです。


特別分配金の見分け方と確認方法

投資信託の分配金が「普通」か「特別」かは、証券会社の取引明細や、月次レポートで確認することができます。

主な確認方法:

  • 取引報告書や支払通知書
    分配金が「普通分配金」「特別分配金」に分かれて記載されています。
  • 目論見書・運用報告書
    分配金の方針や、過去の分配実績が掲載されており、特別分配の割合も確認可能です。
  • 証券会社の口座画面
    ネット証券なら、ログイン後に明細で分配金の内訳を確認できる場合が多いです。

下記に特別分配金の記載があります。
分配金総額と併せて特別分配金も2103円と記載されています。
ですので、元本が少なくなっている状態です。

下記が普通分配金の詳細になります。
特別分配金の欄は0円になっています。
(普通分配金なので、税金は引かれるのですが、NISA枠で購入しているため、0円になっています。)


特別分配金が多い投資信託を保有するリスクとは?

いくら、配当がよくても、特別分配金が多く支払われている場合は、うまく運用が行なわれていない事もあります。

リスク①:資産の目減り

特別分配金は、あなたの資産の一部を現金化して渡しているだけなので、長期間にわたり続くと元本がどんどん減っていくというリスクがあります。

リスク②:複利効果が得られない

元本を取り崩して配分されるため、複利効果が得られません
また、運用に回る資金が減ってしまうので、将来的なリターンが小さくなる可能性があります。
複利の効果を活かしたい場合には、再投資ができる商品を選ぶ方が得策です。


投資信託を選ぶ際のポイントと対策

① 分配金の方針を確認しよう

目論見書や商品ページでは、分配金の方針(定期分配型/無分配型など)が記載されています。
定期分配型は「定期的にお金が入ってきてうれしい」と思うかもしれませんが、本当に運用益が出ているかを確認することが重要です。

② トータルリターンで評価しよう

分配金だけでなく、「トータルリターン(値上がり益+分配金)」で投資成果を評価しましょう。
分配金が多くても、基準価額が大きく下がっていれば意味がありません。

③ 自分の投資目的に合っているか見直そう

毎月のキャッシュフローを得たい高齢者や退職者にとっては、分配金のある投資信託は魅力的かもしれません。
一方で、資産を増やしたい若年層や中長期の資産形成を目指す人にとっては、無分配型の方が向いている可能性があります。
もしくは、特別分配金を受け取った時にはその金額を再投資する方法もあります。

ETFには特別分配金はない!

投資信託ではありませんが、ETFだと、おなじ高配当株でも、特別分配金はありません。

あん
あん

なぜ、ETFには特別分配金がないの?

ETFや株式の価格には、利益分は直接含まれていないためです。

反対に投資信託の基準価額には、運用益が全部含まれています。
そこから分配金を支払うため、運用益が足りなかった場合、特別分配金として支払われる事になります。

株式の配当金会社の利益の一部から株主に還元している
ETFの分配金基本的に運用益で支払われている
投資信託の分配金運用益が含まれた基準価額から支払われる

分配金を出すために、元本を削られることがないのはいいですね。

しかし、ETFでは投資信託ではできた自動的に分配金を再投資ということができません
複利効果を考えている方は、分配金が受け取るたびに、再投資の手続きをしないといけないというデメリットもあります。


まとめ:特別分配金の意味を正しく理解しよう

高配当投資信託における特別分配金は、あなたの元本の一部が返ってきているだけのケースもあります。
正しい知識をもって、分配金の仕組みやリスクを理解し、自分の投資スタイルに合った商品を選ぶことが大切です。

高配当投資信託のチェックリスト

  • 投資信託の分配金の内訳を確認したか?
  • 特別分配金の割合が高すぎないか?
  • トータルリターンで商品を比較したか?
  • 目先の利回りに惑わされていないか?

高配当投資信託は定期的に分配金が受け取れるから安心、というイメージに惑わされず、冷静に投資信託を分析しましょう!

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